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三国志×経営 第11回「泣いて馬謖(バショク)を斬る」

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三国志×経営の第11回となりました。

このカテゴリーの記事を書きながら再度三国志を読み直している私です。
子供の頃と大人ではまた三国志の味わい方が違うなと感じています。

本日取り上げるのは幼い頃から優秀だった馬謖(バショク)という方が登場するエピソード。

「泣いて馬謖を斬る」という言葉は三国志を知らずとも日常生活で聞いた事がある人もいらっしゃるのではないでしょうか?(私だけでしょうか?)

エピソード 街亭の戦い

この話の主役である馬謖は幼い頃からそれは優秀であり、(しょく)の名軍師である諸葛亮孔明(ショカツリョウコウメイ)もその才能を見出し、可愛がっていたそうな。

馬謖、先方を買って出る

劉備(リュウビ)も亡くなり、諸葛亮が先導して蜀の天下統一(中華統一)を目指していました。
その頃に蜀の食料補給としての要害である街亭(がいてい)を(ぎ)国は攻めてこようとしていました。

少しずつ将軍として成長してきていた馬謖。
この戦いでさらに功をあげたいと思い、街亭の守りを自分がさせて欲しいと自ら名乗り出るるのでした。

もし、私に過ちがあったらどのような軍罪に処されるとも決してお恨みいたしませぬ

そのような言葉に幼い頃から知識を付けてきた諸葛亮も嬉しく思い、王平(オウヘイ)を副将として街亭へと向かわせるのでした。

馬謖の誤算

喜び勇んで街亭に赴いた馬謖。

自信過剰なところもややあったようで、地形を見て判断を誤ります。
丞相(じょうしょう。当時の諸葛亮の役職)に街亭を守るように言われたのに、副将の王平の反対も押し切り、山頂に陣を敷いてしまうのでした。

※街亭の地形から言えば山頂ではなく途中の山道に陣を敷いて魏軍を迎え撃つのが得策だったのであり、山頂に陣を敷いてしまうと水や食料を補給できなくなるという弱点があるからだと言います。

それを逃さないのが魏の天才軍師の司馬懿(シバイ)でした。彼は諸葛亮と唯一タメを張れるほどの人物。
(横山三国志だと諸葛亮の作戦に散々はまり、「げえー!」というコマがしょっちゅう出てきます(笑))

司馬懿はそのような馬謖たち蜀軍の配置を見てこう言います。

どういう事じゃ!?

それならば奪ってくれと言わんばかりの配置ではないか?

優秀な軍師から見たら愚の骨頂すぎる場所に陣取ってしまった馬謖。
もう結果は目に見えてました…。

蜀軍の大敗

かくして魏軍は山道に陣を敷いて馬謖をはじめとして王平や援軍に向かった魏延(ギエン)たちも散々に打ち破られる事に。

趙雲(チョウウン)が殿(しんがり※)をつとめてなんとか蜀は退却してくるのでした。
※殿は退却などする時に一番後ろを担当する。追われる際の一番後ろだけに危険が大きな仕事ですな(^^;

諸葛亮の苦渋の決断

街亭の戦いで蜀は魏に大敗を喫しました。

街亭を取られてしまった蜀は魏を倒して天下統一を狙うのがとても難しくなってしまった。
そしてその敗戦を引き起こしたのはまさに馬謖の浅はかな陣の配置によるもの。

これには当時の軍を統括していた諸葛亮も昔から可愛がってきた馬謖と言えども処分を行わなければいけないのでした。

馬謖よ、功をあせり蜀全軍を退却のやむにいたらしめた罪は重い。

そなたは…そなたを死刑とする

第7回での関羽に対しても分かるように、今まで軍法を厳しく律してきた諸葛亮。

それだけに自分が特別に可愛がってきた馬謖であっても蜀という国のためには私情を挟むわけにはいかないのです。

蜀はその頃には五虎大将軍(ごこだいしょうぐん)と言われた関羽(カンウ)・張飛(チョウヒ)・趙雲(チョウウン)・馬超(バチョウ)・黄忠(コウチュウ)は趙雲以外はみな亡くなっており、優秀な武将も少なくなっていました。

それだけにこれから更に成長していくはずだった馬謖をここで打ち首にするのは蜀の軍事にとってダメージが大きかった。しかし、規律を守るためには大敗の原因となった馬謖を処分せざるを得なかったのです。

本当の罪は余の不明にある

と、諸葛亮は自分が馬謖に教えてきた事がうまく馬謖に伝わっていなかったのは自分のせいであると涙ながらに語り、馬謖は止む無く打ち首となったのでした。

馬謖の首は陣営にさらされた後にあつく葬られたとの事です…。

なお、諸葛亮は馬謖の遺族を不自由のないように生活させたと言われています。

ここまでの覚悟を持って経営はできますか?

経営者からすると有能な人が会社にとってクリティカルな問題を起こした時にどう対処するか?
という問題はいつの時代においても存在しますね。

会社の規律は軍における打ち首ほどではないにしても、会社の業績を一気に左右するようなミスではどうするか?

  • 役職を下げる?
  • 減給する?
  • 謹慎にする?

などなど想定しておくのも良いのかもしれませんね。

以前、とある会社では、営業の成績も1・2を争う優秀さで役員にまで上り詰めた男性が、実は社内で複数人(なんと2桁!!)と異性関係があった事が発覚。

発覚後はすぐさまその役員は謹慎となり、かなり早いスピードで解雇(正確には解任ですね。)されたのを思い出しました。

社長からすればその役員を切れば会社として相当な売上減のダメージが目に見える事は必至だったのでしょうが、目先の利益にとらわれずに決断したのには素晴らしいと思いました。

しかし、その後も会社は順調に成長しているので、組織にとってはその時の判断はプラスだったのでしょう。

いざ当事者となった時にその判断はできるでしょうか?

第11回もこれにて終了となります。

今回の記事も最後までお読みいただき感謝を申し上げます!
SNSなりご感想いただけると本当に嬉しいです^^

ではまた次回!

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高橋 輝雄

税理士・FP・元SE。 税理士界の諸葛亮孔明を目指して自己研鑽の日々を送る。 「税務・経営・自分の思考」を軸にHPとブログにて情報を発信。 情に厚く、大変涙もろい。ナイアガラの滝のように泣く。 更に詳しくは著者紹介
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